三上靖史

歴代のジブリ映画の一覧

スタジオジブリの歴代の作品一覧です。 「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」など初期の映画から最新作まで、 歴代の劇場版アニメをリスト(年表)にしました。 あらすじ(ネタバレ注意)や解説。 Youtube予告編やストリーミング動画配信へのリンクもあります。 宮崎駿や高畑勲の監督作品をはじめ、 いつまでも色あせない名作の数々をお楽しみ下さい。 ~キネヨコ編集部(編集長:三上靖史)

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2010年代
作品名 あらすじ(ネタバレ注意)、解説など 動画
「レッドタートル ある島の物語」

(2016年)
【長さ】1時間21分
【監督】マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット
【あらすじ】嵐の中、荒れ狂う海に放り出された男は、奇跡的にある無人島にたどり着く。自力で筏を作り、島からの脱出を試みるがことごとく失敗。見えない力によって何度も島に引き戻される。そんな絶望的な状況におかれた男の前に、ある日一人の女が現れる。
【解説】オランダ人監督、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットはこれまで5本の短篇映画を手掛けてきたが、2000年に発表した「岸辺のふたり」ではアカデミー賞短篇アニメーション映画賞をはじめ、アヌシー国際アニメーション映画祭、広島国際アニメーションフェスティバルなど世界各国の賞を受賞。そんな同作を観たスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーがマイケル監督に長篇制作を打診、尊敬する高畑勲監督から長篇映画の制作について助言を受けることを条件に、本作の企画がスタートした。そして、構想10年、制作8年もの歳月をかけ、ついに完成。ジブリ初の海外との合作映画としても注目を集め、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門では特別賞に輝いた!
【受賞歴】2017年アカデミー賞長編アニメ部門にノミネート。2016年カンヌ国際映画祭のある視点部門特別賞、アニー賞インデペンデント最優秀長編作品賞を受賞。
予告編→

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「思い出のマーニー」

(2014年)
【長さ】1時間43分
【監督】米林宏昌
【解説】イギリス児童文学の古典的名作『思い出のマーニー』を米林宏昌監督で長編アニメーション映画化した作品である。物語は、北海道を舞台に、少女のひと夏の不思議な体験を描いている。幼い頃に両親を亡くし、12歳の小さな身体に大きな苦しみを抱えて生きる杏奈。その杏奈の前に現れる、悲しみを抱えた謎の金髪の少女マーニー。二人の不思議な出会いが、杏奈の苦しみ和らげ、いつしか杏奈自身を成長させてくれる感動の物語である。
【受賞歴】2017年アカデミー賞長編アニメ部門にノミネート。
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「かぐや姫の物語」

(2013年)
【長さ】2時間17分
【監督】高畑勲
【解説】竹の中から生まれ、すぐに成長して美しい娘に育ち、求婚者たちを次々と振ったあげく、満月の夜に月へと去ってしまう。この誰もが知る“かぐや姫”の物語はそのままに、本作は、その「心」を描くことで、かぐや姫の真実を描き出したのである。それは、地球に生を受けたにもかかわらず、その生を輝かすことができないでいる私たち自身の物語だ。高畑勲監督が、日本最古の物語文学「竹取物語」を、新たな解釈で描き出した感動の長編ファンタジー・アニメーションである。
【受賞歴】2015年アカデミー賞長編アニメ部門にノミネート。2013年毎日映画コンクールアニメーション映画賞を受賞。
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「風立ちぬ」

(2013年)
【長さ】2時間6分
【監督】宮崎駿
【解説】この作品の題名『風立ちぬ』は堀辰雄の同名の小説に由来し、物語の主人公は、実在した零戦の設計者、堀越二郎と同時代に生きた文学者の堀辰雄をミックスして、ひとりの主人公“二郎”に仕立てている。そうした特殊な構造を持ちながら、完全なフィクションとして1930年代の青春を描いた異色の作品である。本作は、宮崎駿監督が月刊模型雑誌『モデルグラフィックス』に連載していた、自分の夢に忠実にまっすぐ進んだ人物を描いた漫画を、自らアニメーション映画化した宮崎監督渾身の名作である。
【受賞歴】2014年日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞。
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「コクリコ坂から」

(2011年)
【長さ】1時間31分
【監督】宮崎駿
【解説】1963年の横浜を舞台に、学生運動に揺れる若者達の姿と、毎日を真っ直ぐ生きている少女と少年の出生の秘密が絡む複雑な恋の行方を、生き生きと描いた作品である。本作は、1980年に『なかよし』で連載された原作を題材に、宮崎駿が台本を執筆(丹羽圭子との共同脚本)し、『ゲド戦記』の宮崎吾朗監督が、父の脚本をもとに絵コンテを描き演出した。まさに父と子の共同作業によって生まれた、ストレートな青春恋愛賛歌である。
【受賞歴】2012年日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞。
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「借りぐらしのアリエッティ」

(2010年)
【長さ】1時間34分
【監督】米林宏昌
【解説】本作は、1952年にイギリスで出版され、カーネギー賞を受賞したメアリー・ノートン作の児童文学。全く魔法のカを持たない小人たちが登場し、サバイバルする『床下の小人たち』を原作とし、米林宏昌監督で映画化したファンタジーアニメーションである。物語は、都市近郊の古い一軒家の床下でつつましく暮らす小人の一家の長女・アリエッティの冒険と小さな恋を描いた青春ストーリー。現代に生きる人間の私たちに生きる勇気を与えてくれるファンタジーである。

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2000年代の作品
作品名 あらすじ(ネタバレ注意)、解説など 動画
「崖の上のポニョ」

(2008年)
【長さ】1時間41分
【監督】宮崎駿
【解説】本作は、アンテルセンの『人魚姫』を今日の日本に舞台を移して、幼い子供達の愛と冒険を描いている。海辺の小さな町と崖の上の一軒家。いきもののような海と魔法が平然と姿を現すファンタジーの世界。その世界で、海に棲む魚の子のポニョが、人間の宗介と一緒に生きたいという思いをつらぬき通す物語であり、5歳の宗介が約束を守りぬく物語でもある。まさに、海を舞台に繰り広げられる、海洋ファンタジーの感動の名作である。
【受賞歴】2009年日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞受賞。
予告編→

本編→

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「ゲド戦記」

(2006年)
【長さ】1時間55分
【監督】宮崎吾朗
【解説】多島海世界“アースシー”では西海域の果てに棲む竜が、突如人間の世界に現れた。それと呼応して世界ではさまざまな異変が起こりはじめる。世界の均衡が崩れつつあるのだった。災いの源をつきとめる旅に出たハイタカは、国を捨てた王子アレンと出会い、旅を続ける。果たして二人は世界を救う事が出来るのか?本作は、米国の女性作家アーシュラ・K.ル=グウィン作のファンタジー文学の傑作を、宮崎駿の長男である宮崎吾朗監督が映画化した冒険ファンタジーの名作である。
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「ハウルの動く城」

(2004年)
【長さ】1時間59分
【監督】宮崎駿
【解説】魔法と科学の混在する19世紀末の欧州を思わせる世界。小さな町の帽子屋を切り盛りする18歳の少女ソフィーが、美しく自信に満ちあふれた魔法使いハウルと出会う。しかし、ハウルと出会ったせいで彼女は90歳の老婆に姿を変えられてしまう!世界中で支持を受ける女性作家、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説『魔法使いハウルと火の悪魔』をベースに、宮崎監督が描き出した戦火の恋の感動フアンタジー。
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「ギブリーズ episode2」

(2002年)
【長さ】25分
【監督】百瀬義行
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「猫の恩返し」

(2002年)
【長さ】1時間15分
【監督】森田宏幸
【解説】ものすごい美人でもなく、部活や勉強に燃えている訳でもない。どこにでもいる普通の女子高生ハルが、ひょんなことから猫の国に迷いこんで大冒険!流されて、はじめて気づく真実もある、何気ない毎日も決して無駄ではない。ハルは、猫の国の冒険を通してほんの少しだけ成長したのだった。本作は、宮崎駿監督が『耳をすませば』のバロンやムタが出てくる話をと、原作者・柊あおいに原作を依頼し、新鋭・森田宏幸監督の手でアニメーション化したほのぼのファンタジーである。
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「千と千尋の神隠し」

(2001年)
【長さ】2時間5分
【監督】宮崎駿
【あらすじ】主人公の千尋は、現代日本を生きるごく普通のl0才の少女。物語はそんな千尋が父親の運転する車で引越し先の新しい家へ向かう場面からはじまる。千尋たちがいつの間に迷い込んでいたのは「不思議の町」。その町には掟があり、それを知らずに掟を破った両親は、豚になってしまう。途方に暮れる千尋。彼女はひとりでその町で生きていかなくてはならなくなるのだった……。
【解説】宮崎駿監督が日本各地に伝わる民話を踏まえつつ、独自のファンタジーを生み出した作品である。これまでの宮崎作品の主人公は、天真爛漫、明るく前向き、そして優れた能力を持つというととが多かった。しかし、千尋は何の能力も持たない正反対のタイプの主人公。そこには何重にも守られて育つ現代の子どもたちが“突然ひとりぼっちになったらどうする?”というテーマが隠されている。どこか『不思議の国のアリス』に似た『千と千尋の神隠し』。その物語は現代の日本を象徴する寓意に満ちている。そして物語が進むうちに、千尋の眠っていた「生きる力」が呼び覚まされ、次第にその力を得ることになる。それは千尋が「自分が自分になる」というアイデンティティを確立していくことでもあった。 千尋同様、自信をなくした私たち日本人がもう一度自らの「生きる力」を取り戻すこと。この作品を観ると、それが複雑な様相を呈する未来に立ち向かうために必要なひとつの力なのだと教えてくれているようだ。 宮崎監督がこれまで常に意識して創作してきた現実世界と影響し合うファンタジー。その到達点ともいえるエンターテインメントとして完成している。
【受賞歴】2003年アカデミー賞長編アニメ部門、2002年ベルリン国際映画祭金熊賞、2002年日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞。
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1990年代の作品
作品名 あらすじ(ネタバレ注意)、解説など 動画
「ホーホケキョ となりの山田くん」

(1999年)
【長さ】1時間44分
【監督】高畑勲
【解説】ごくありふれた庶民的な三世代家族の山田家と、その周囲の人々の日常を、ほのぼのとしたギャグとそこはかとないペーソスとともに描いている。山田家の人々が繰り広げる、おかしくてほのぼのした温かいエピソードの数々が、人々の心を和ませる作品だ。いしいひさいち原作による四コマ漫画のエピソードを、巧みにつなぎ合わせて、高畑勲監督が長編アニメーション化。平凡な日本の家族像を様々なエピソードを織りまぜて、ユーモラスに描いたコメディアニメーションの名作である。
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「もののけ姫」

(1997年)
【長さ】2時間13分
【監督】宮崎駿
【解説】本作は、宮崎駿監督が構想に16年を費やし、制作に3年もの歳月をかけた一大叙事詩である。舞台は日本の室町時代。その頃、日本は照葉樹林の森に覆われていたという。その森を侵す人間と荒ぶる神々との闘いという、日本古来の民俗伝承や歴史的事実などからヒントを得た壮大なストーリーの作品だ。また、宮崎監督ならではの現実とイマジネーションが入り乱れたような、巨大な物語の世界が広がっていくファンタジーの名作である。
「On Your Mark」

(1995年)
【長さ】7分
【監督】宮崎駿
「耳をすませば」

(1995年)
【長さ】1時間51分
【監督】近藤喜文
【解説】雫は、本が大好きなごく普通の中学三年生の女の子だ。その雫が、ヴァイオリン職人を目指す同級生・聖司と心を通わすようになる。 しかし、聖司は中学卒業と同時にイタリアに行って修業しようとしていた。彼への思いを深めるにつれ、改めて自分の将来について真剣に考えはじめる雫。まず一つの物語を書き上げることを決意。彼女も小さな一歩を踏み出すのだった。柊あおいの同名少女コミックを、近藤喜文監督でアニメーション化した青春恋愛映画の傑作である。
「平成狸合戦ぽんぽこ」

(1994年)
【長さ】1時間59分
【監督】高畑勲
【解説】舞台となるのは、東京・多摩丘陵。都市部の住宅難を解消するために建設されたニュータウンによって、住処を追われることになったタヌキたちが、自分たちの故郷を守るために人間相手に反撃を決意。人間たちを化かして、森から追い出そうとするのだが、思ったような成果が得られない。タヌキ達の未来はどうなるのか?人間ドラマの名手である高畑勲監督が、タヌキたちのおかしくも切ない戦いを痛快に描き出した、笑いと感動が詰まった一大エンターテインメントである。
「紅の豚」

(1992年)
【長さ】1時間33分
【監督】宮崎駿
【解説】本作の舞台は、第一次大戦後、世界恐慌による不況にあえぐイタリア・アドリア海。かつて空軍のエースだった男が、迫り来る新たな戦争を前に、再び「国家の英雄」になることを拒み、自分で自分に魔法をかけてブタになってしまう。男は賞金稼ぎとなって、地中海を荒らし回っている海賊ならぬ「空賊」とたたかうのだった……。宮崎駿監督が自ら原作、脚本を手がけ、「カッコイイ」ことにこだわり、しかも大空へのロマンをぎっしり詰めた不朽の名作である。
「おもひでぽろぽろ」

(1991年)
【長さ】1時間59分
【監督】高畑勲
【あらすじ】主人公は東京生まれ東京育ちの27才のOLタエ子。幼い頃から「田舎」に憧れを抱いていた彼女は、休暇を取って山形の親戚の家で農業体験をする。脱サラして有機農業をはじめたばかりのトシオや農家の人々に見守られながら、紅花から紅を作る作業を手伝い、普段とは違う充実感を感じていく。 しかしそんなタエ子に、なぜか小学校5年生の記憶が付きまとう。なぜ、今、小学校5年生のことを思い出すのだろう?不思議に思いながらも、大人でも子どもでもない“小学校5年生の自分”を振り払うことができずにいるタエ子。それらは「ちょっぴりダメな自分」を大人になったタエ子に無遠慮に突きつけてくるのだった……。
【解説】『おもひでぽろぽろ』は、同名の漫画を高畑勲監督の手によって、アニメーション化した名作である。原作に描かれた“誰もの心に響く懐かしいエピソード”に、タエ子と同世代の女性が共感する視点がプラスされた作品。27歳という年齢になったタエ子が、自分を見つめ直していく物語に多くの女性が共感したことだろう。 女性の内面をきめ細かく描き、いくつになっても小さなことで悩んだり、喜んだり、トキめいたりしてしまう女性の心情に寄り添い、懐かしくて少し胸がキュンとする『おもひでぽろぽろ』は、世代も時代も超えて今もなお愛される感動の物語である。
【受賞歴】1992年日本アカデミー賞話題賞受賞。

2010年代2000年代1990年代1980年代ページの先頭↑

1980年代の作品
作品名 あらすじ(ネタバレ注意)、解説など 動画
「魔女の宅急便」

(1989年)
【長さ】1時間42分
【監督】宮崎駿
【あらすじ】物語は13歳の小さな魔女・キキが赤いラジオをホウキの先にぶらさげて、黒猫のジジと一緒にひとり立ちの旅に出かけるところから始まる。そして大きな時計台のある街に降り立ったキキは、そこで出会ったパン屋のおかみさんの店の空き部屋に住むことになり、初めてのひとり暮らしを始める。初めての土地、初めて出会う人びと、初めての仕事、キキにとって何もかもが初めての経験だった。
【解説】多くのファンを持つ角野栄子原作の『魔女の宅急便』を宮崎駿監督ならではの脚色によってアニメーション化した、小さな魔女が主人公のファンタジーの傑作である。魔法使いとはいえ、キキができるのは空を飛べることくらい。それを除けば、初めてのひとり暮らしにワクワクしながら食器を買いこむところ、真っ黒な自分の服に不満そうにするところ、そんな姿はどこにでもいる「普通の女の子」 と何ら変わりはない。それに慣れない初仕事でほめられた時に喜ぶ姿や、自分が持つ能力について思い悩むキキを見ていると、どこか自分と重なり、思わず共感してしまう。宮崎監督はキキの空を飛ぶ魔女としての姿をファンタジックに描きながら、同時にどこにでもいる等身大の女の子として、小さな壁にぶち当たり、落ち込んだリスネたりしながらも、ほんの少し成長する様を丁寧に描いている。 『魔女の宅急便』は、キキを通して少女の旅立ちと自立を描いた、宮崎監督から今日を生きるすべての人にエールを送る応援歌である。
【受賞歴】1990年日本アカデミー賞話題賞受賞。1989年キネマ旬報・読者選出日本映画1位。
「火垂るの墓」

(1988年)
【長さ】1時間28分
【監督】高畑勲
【解説】高畑勲監督が劇場用アニメーションとして完全映画化した作品。心揺さぶられる物語である。舞台は終戦前後の神戸。町は執拗な空襲に絶えず脅かされていた。食べることさえままならない死と隣り合わせの極限状況で、親を失った幼い兄妹は、二人だけで戦火の中を生き抜こうとしたのだった。この映画は決して単なる反戦映画ではなく、戦争の時代に生きた、ごく普通の子どもが辿った困難を描いた不朽の名作と言えるだろう。
【受賞歴】
「となりのトトロ」

(1988年)
【長さ】1時間26分
【監督】宮崎駿
【あらすじ】郊外に越して来た少女サツキとメイの姉妹と、昔からその地に住むトトロたちの不思議な出会いを日常のエピソードと織りまぜながら、ゆったりとのどかに描かれてゆく。トトロと仲良くなったサツキとメイは、傘を貸したり、そのお礼に木の実をもらったり、一緒に夜空を飛んだりする。「となりのトトロ」で描かれたのは、こうした不思議な生き物との夢のような交流である。 トトロやネコバスなどの不思議な仲間たちは、子どもにしか見えない存在。大人には理解出来ない存在だが、子どもたちは言葉が通じなくても心を通わせ気持ちを伝えることができる。そうした関係のなか、トトロはサツキのピンチを救ってくれた。
【解説】「となりのトトロ」は、宮崎駿監督が贈るすべての子どもと大人のための心温まるファンタジーの名作。 郊外に引っ越してきた子どもたちと、子どもにしか見えない不思議な生き物たちとの心の触れ合いを描いた本作は、宮崎駿監督の地位を不動のものにし、本作に登場するトトロは、今やファンならずとも知らない人はいない、ジブリの代表的キャラクターとなった。草と土の匂いを放ちながら、清らかで楽しく、幸せな気持ちにさせてくれる『となりのトトロ』。不思議な事に子ども向けでありながら、大人が観ても癒され、素直に感動させられる。それは物語がサツキたちの繊細な気持ちの揺れ動きにしっかりと寄り添って描かれ、時に主人公に共感し、時に親の目線で見ることができるからかもしれない。『となりのトトロ』は大人と子どもも一緒に楽しめる、まさに永遠の名作アニメーションである。
【受賞歴】1988年キネ旬ベストテン第1位、読者選出日本映画第1位。1988年毎日映画コンクール 日本映画大賞、大藤信郎賞を受賞。
「天空の城ラピュタ」

(1986年)
【長さ】2時間4分
【監督】宮崎駿
【あらすじ】山奥の小さな村でひっそりと暮らす少女・シータは、謎の男たちにさらわれ、飛行船に乗せられる。しかし、その飛行船を空の海賊が強襲。シータはそのドサクサで飛行船から落下してしまうのだった。一方、さびれた鉱山の町で機械工として働く少年・バズー。彼が作業場で後始末をしていると、そこにフワフワと浮きながらシータが空から落ちてくるのを発見。こうして出会ったシータとバズー。ふたりの冒険はここから始まった。 すべてはシータの家に代々伝わる謎の石・飛行石と空に浮かぶ伝説の帝国・ラピュタの宝に端を発していた。その宝を狙って、執拗にシータを付け狙う政府調査機関の特務将校・ムスカ。そして女ボス・ドーラが率いる腕っぷしは強いがおマヌケな海賊たち。一方、バズーは亡き父の名誉を守るためラピュタの謎を追っていた。それぞれの思惑がひとつになり、彼らは天空のどこかに存在するというラピュタを目指す。
【解説】スタジオジブリの第1回作品にして、スウィフトの『ガリバー旅行記』に登場する天空の浮島をモデルに、宮崎駿監督原作で描かれた、監督初のオリジナル冒険ファンタジーアニメーションである。かつて圧倒的な科学力と軍事力で、世界を支配した天空の島・ラピュタ。また登場する空飛ぶ乗り物の数々。宮崎作品特有の独特なメカニックは、見ているだけでも心が踊る。また、ヨーロッパの古城を思わせる緑豊かな城と、人間を近寄らせない無機質さが共存した「ラピュタ」 の造形はジブリ作品ならではの美しさで表現されている。『天空の城ラピュタ』はそうした描写すべてに、宮崎監督の思いが詰まった、まさに宮崎作品の魅力を凝縮したジブリを代表する名作冒険ファンタジーである。
【受賞歴】1986年毎日映画コンクール 大藤信郎賞を受賞、1986年ぴあテン 映画部門第1位。
「風の谷のナウシカ」

(1984年)
【長さ】1時間56分
【監督】宮崎駿
【あらすじ】人類の最終戦争から1000年、地球には高度に発達した産業文明の遣物と歪んだ自然、そしてひとにぎりの人類が生き残った。そのような世界で、人類はどのように生きながらえ、どのような思想を持とうとするのか。再びなぞられる人類の歴史、そして繰り広げられる戦闘。人類は、最後の地球絶滅の危機を前にしても、醜く争おうとする。 そこに登場する、木々を愛で虫と語り風をまねく少女ナウシカ。彼女は生きることの素朴な喜びを最も敏感に感じとれる少女である。本作は自分の生きる世界を、そして、ありとあらゆる命あるものを救おうとする少女のファンタジー・アドベンチャーである。
【解説】人は自然と共存することはできないのか。なぜ人は傷つけあうのか。宮崎駿監督は、反戦・反核・反自然破壊という重厚なテーマを真っ正面に掲げながら、老若男女、誰もが楽しめる冒険譚を展開する。 そして、同時に作品中に描かれたナウシカの愛機・メーヴェの滑空感や腐海に生息する植物の透明な美しさもまた私たちを惹きつける重要な要素である。 また腐海の番人である王蟲(オーム)の目の色と微妙なたたずまいの変化で表現される“感情”の起伏。静謐でどこか懐かしい風の谷の風景。丁寧かつダイナミックな描写の数々は、大人たちの心をも掴んで離さない。 『風の谷のナウシカ』は神聖な生き物、王轟とナウシカの奇跡的な出逢いを通じて、地球のそして人類をはじめとする生き物すべての未来を見通したスペクタクルとロマン溢れる感動の一大ドラマである。 そのテーマは環境汚染や自然破壊、エネルギー消費などの現代社会の抱える問題を正面から見据え、アニメーションというジャンルを超越し、広く社会に問題を投げかけた。本作は、現代人必見の作品として、永遠に語り継ぐべき名作といえよう。
【受賞歴】1984年キネマ旬報・読者選出日本映画第1位、1984年毎日映画コンクール 大藤信郎賞を受賞。

出典:
スタジオジブリ大解剖 (サンエイムック)

『月刊アニメージュ』の特集記事で見るスタジオジブリの軌跡―1984-2011 (ロマンアルバム)

キネマ旬報 2016年夏の増刊号 アニメーション特集(「ONE PIECE FILM GOLD」&「君の名は。」特集号) No.1723